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方法序説

essence2008-03-16

なぜだかとてもほっとする本だった。
 

大きな魂ほど、最大の美徳とともに、最大の悪徳をも生み出す力がある。 また、きわめてゆっくりと歩む人でも、つねにまっすぐな道をたどるなら、走りながら道をそれてしまう人よりも、はるかに前進することができる。

 
誠実さや純粋さは、いかに理性てきであっても時に認められないことが多い。 デカルトの時代では、ことさら主流の思想とちょっとでも違うことを言おうものなら、たちまち投獄されていたのである。
 
そんな、時代であってこそ自分の理性に真っ正面から向き合い、世間のあらゆる偽りにまどわされない理性を確立しようとしたことに、いいようのない、それこそ感傷にちかい感動を覚えた。
 
偽りはまわりに掃いて捨てるほどである。 純粋な若い理性ほどそれらに影響されやすく、まどわされやすい。 ここにはそれらが偽りであることを区別するための視座を提供してるようなきがする。 自分が感じていた、「なにかがちがう」という感覚が、そう感じていいんだという場所を与えられたようなきがする。
 
同時に、「ちがうもの」に対して無理して戦う必要すらないという気づきもあった。 まことしやかに権威や権力や理論で武装され、みごとに不誠実を棚にあげられた、ごまかしや偽りから発せられるモノには、ふりまわされる必要は無いのである。
 

方法序説 (岩波文庫)

方法序説 (岩波文庫)