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対称性と非対称性

中沢新一カイエ・ソバージュ2から。
対称性とは、人類と自然界が対等で対称であること、あるいは対称であることを維持しようという意思があるということ。 古代の神話的人類の社会。 ここから国家がうまれ、文化は文明になり文明は野蛮を対象化し自らに野蛮を内包した。
非対称であるとは、自然を支配することがあたりまえと感じているということ、人類と自然の対称性は失われている。 非対称な世界は貧富の差を加速度的に増長する。
結果非対称を解消しようとするエネルギーがテロリズムという形で現れる。
宮沢賢治の小説にすでにその非対称な世界はテロリズムを誘発することを警告しているという点がおもしろい。

文明は自由社会、資本主義社会を拡大し一定な戦争のない世界をつくるはずだという、勘違いがあるようなきがする。 20世紀後半には21世紀になったら平和になるはずだという思いが、ことごとく裏切られ世界は不安定になる一方。 戦争や貧富の差による直接的、間接的な死者はとんでもない数に登っていると思う。

熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)

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