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一生そこにいようと思う会社ってどんな会社=業界だろう

会社というものについて、自分が持っている標準。

  • 会社か社会に貢献しようとしている特定のことに同意できる。
  • 大半の人が自分が将来にわたってどんな職種でどんな仕事をしていくのかがイメージできる
  • すくなくとも同じ部の他の社員がどんなことをしているのが把握できる。
  • 仕事上の役割の枠で多くの社員と交流することで仕事が成り立つ構造になっている。
  • 運営や仕事のすすめかたについてタブーなくオープンに議論できる。
  • 個人の意志が尊重されている。
  • その人のレベルで尊敬されている。(ディスカウントされない)
  • 技術の内容が議論でき、仕事に反映できる。
  • 誠実な会社運営をしている。


少なくとも自分がいる場所は、少しでもこれに近づけたいと思ってやってきた。しかし問題は特定の会社の問題ではなく、業界の構造自体の問題なのだ。
多くの(特に中小の)IT業界の企業の構造自体が自分の標準とはほど遠い構造になっているのが無性にはがゆさを感じる。
多くの人が実質派遣業でしかない状態であちこちの現場にまわり、仕事の内容に夢をもってやれるような大きな意識を持てる機会が本当に少ない。 その現場のプロジェクトで作業することが、自社の社員とともに会社のビジョンとして社会に貢献するかということに、どうつながっているのかを感じ、実感する機会がないのだ。 定期的に上司が面談していればいいそれで済む、という問題ではない。 それこそ上司自体が面談のスキルがきちんと正式のトレーニングを受けていることすら希有である。

この点がないから、自分は人ではなくただの歯車のように感じてしまう。 なぜなら、実際にそうだからだ。


また一方では、時代がすすむにつれ、職人的な技術職としての側面からサービス業的側面がより強くなってきている。
それこそ、ホテル業のようなサービス業としての「サーブする精神」についてのフィロソフィーをIT業界自体が学び成熟していく機会や歴史をもたなかったのだ。
現代のSIerは、人にサーブする喜びを知らなかったら、仕事から喜びを感じる機会は半分以下だろう。

3Kだという言われるのは、仕事が大変だからなのではなく、仕事の意義を感じられるようになっているかどうかのほうが遙かに大きい。