魔女狩り
SFのTV番組 宇宙空母ギャラクティカVOL4でのエピソード。
話の背景は遠い未来、人類が開発したロボットサイロンに滅ぼされ、民間の船団を率いてサイロンから逃げながら安住の地を探す旅の話。
サイロンはいつのまにか人間のような形に進化し、血液や内臓すらあるようになった。 見た目は人類と区別がつかない。 そんななか、あるときサイロンが自爆テロをおこす。
その捜査を行うために審問官に独立権限を与えた。
審問官はクルーを調査した。 整備官のチーフとパイロットの恋仲をかばうためにクルーがウソをついた。
この事件で司令官が審問されたときの台詞に感動した。
(前略)
審問官A(ヘイドリアン軍曹):
「軍紀違反と知りながら部下の交際を黙認したせいで、サイロンとの共謀を許し、本艦の安全を脅かしたのでは?」
司令官:
「話にならん」
審問官A(ヘイドリアン軍曹):
「質問が終わっていません」
司令官:
「逸脱行為だ、君は法の目的を見失っている」
「法は人を守る物だ、苦しめてはならない」
「我々に残されている道が何であれ、これよりはマシだ」
「捜査は打ち切りとする。船にもどりなさい。ごくろうだった」
審問官B:
「司令官、あなたに打ち切る権限はありません」
司令官:
「これは魔女狩りだ。私の船では許さん」
審問官A(ヘイドリアン軍曹):
「警備兵、司令官を席にもどしなさい」
司令官:
(警備兵に向かって)
「警備兵、ヘイドリアン軍曹を自室へ連行し監禁するよう命じる」
「自分で決めろ」( make a choice son.)
警備兵:
「ヘイドリアン軍曹、ご同行を、」
このときに言いようもない、快感を感じたのだ。
現実に起こっている多くのこととして、目的がすり替わってしまって、現場の人間が苦しい思いをする、よくある例としても取ることができる。
どんなときにも、事実は変えることができない。 変わるのは解釈だけなのだ。
何のための仕事なのか、何のための企業なのか、何のための社会なのか。 そこから考える、この社会にはおかしなことが山ほどある。 しかしそれでも、目的自体を表現することはむずかしく、法律や規範やルールといった形に変換されて運用される。 しかしそれは目的そのものではなく、完全に目的に沿ったものではありえないので、どこかで逸脱や悪用や、悪意のない誤解が生じる。
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