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新しいことを習うということ

また、ピアノの師匠と議論。(笑)
基本的に人は、(特に大人は)新しいことを新しいこととして、理解することは難しい。
いままでの既存の概念や、物事と同じものかあるいは、関連しているものとして位置づけることでそのことを「理解」したと認識する。

子供の場合は、比較する対象も概念ももっていないので、あるものをそのままうけとりスポンジのように吸収することができる。

メロディー聴音(ピアノのメロディを覚えて楽譜に書くスキル)をやっていてでてきたのは、演奏している音そのものを聞いているのではなく、同時にいままでの音楽と当てはめながら聞いたり、自分で音を作りながら聞いているため、記憶から再現したときにはすでにちがうメロディーに作曲してしまっているということ。
いかに、ありのままのそのままの音で聞いていないかに直面させられた。

メロディーを自分にいれるのときは、どちらかというと積極的に音がなる点のつながりを ポンポンといしきしていくのではなく、逆にちょっと遅れぎみでただそこになっている音を線で追って行く方がいいというコーチを受けた。
音がではじめるタイミングではなくて、音がなってから少し遅れて前の音とのつらなりとして、ただそこでなっている素の音として線で機械的になぞっているイメージ。
点の意識だと、一つ一つの音程であって、つながった音楽として意識がむずかしく、かつ違う音楽との連想や自分で次の音を予想しはじめてしまって、結果記憶に残るのは自分で連想した方の音になってしまう。
このときに過去の記憶との照合による「理解」をするために、新しいメロディーをそのものとして理解することができなくなっている。

研修で新しいことを説明するときに注意しなければならないのは、安易に過去の似たパターンとの関連で終わりにするのではなく、この概念はいままでなかった新しいこととして理解させる工夫が必要だと思う。 
2日間の新人のための研修では彼らに取って、まったく新しい概念をたくさん出して行きたいと思う。 なにか自分で解釈をくわえていることを本人にフィードバックすることで、自分の解釈と与えられた概念を区別するようにやって行こうと思う。